『マイナスベース思考』の「おわりに」を無料公開します!

本日、『マイナスベース思考: 「生まれてきてごめんなさい」で全てが輝きはじめる――』という電子書籍を新たに出版しました。

これを記念して、今回は「おわりに」の部分を全文無料公開したいと思います。

おわりに
 大学時代、僕は人間不信になった。
 誰も信じられない。
 誰とも関わりたくない。
 そんなふうに、考えていた。
 そんなふうにしか、考えられなかった。
 そんな僕が唯一楽しむ事ができたのが、ソフトウェア開発だった。
 ソフトウェアは嘘を付かない。
 コーディングしたままに動いてくれる。
 僕は何か「万能感」のようなものを感じ、ひたすらソフトウェア開発にのめり込んでいった。
 そして、開発したソフトウェアをウェブ上で公開していた。
 そんなある日の事だった。
 一通のメールが、僕の元に届いた。
 内容は、「便利なソフトを作ってくれて、ありがとうございます!」というメールだった。
 涙が出た。
 涙が止まらなかった。
 人との関わりを拒絶していた自分が、人から感謝された。
 これは、僕にとって奇跡のような出来事だった。
 体が震えるぐらい、嬉しかった。
 誰とも関わらない生活は、きつかった。
 寂しかった。
 虚しかった。
 苦しかった。
 でも、こんな関わり方があるんだ。
 便利なものを作って、人から感謝される。
 そんな関係性を築けるんだ。
 これが、僕にとってのターニングポイントになった。
 塞ぎ込んでいたって、何も好転したりはしない。
 変わろう。
 自分を変えよう。
 強くなろう。
 世界は、変えられる。
 自分がどう考えるか次第だ。
 何かアクションを起こせば、世界は変えられるんだ。
 それからは、さらにソフトウェア開発にのめり込むようになっていった。
 そして、ソフトウェアを開発すればするほど、感謝のメールは日に日に増えていった。
 今になって振り返ると、僕はあの時、人間不信になって本当に良かったと思っている。
 人間不信になったからこそ、ソフトウェア開発者としての道が拓けた。
 人間不信になったからこそ、結婚をして、3人の子供を含む家庭を築く事ができた。
 人間不信になったからこそ、「今」が奇跡的に幸せなんだって、そう思える。
 ウェブ上で発信をしていると、人から嫌われる事もある。
「死ね」などと、心無い事を言われる事もある。
 それでも僕は、全てに感謝している。
 大学時代、誰とも関わらずに塞ぎ込んでいた時代から比べると、全てが「マシ」なのだ。
 これが僕の、マイナスベース思考の元になっている。
 マイナスから比べれば、全てはハッピーに捉える事ができる。
 全てをハッピーに捉えられる人は、絶対に揺るがない。
 弱さを知っている人間こそが、最も強いのである。
 皆さんが、どこまでこの話に共感してくれるかは分からない。
 それでも、僕はこう思うんだ。
 一度、「生まれてきてごめんなさい」まで目線を落としてごらん。
 そこから全てが輝き出すよ。
山内 良太

山内 良太(やまうち りょうた)
 大学時代、些細な出来事がきっかけで人間不信になり、孤独な日々を過ごしていたところ、大学のPCにソフトウェア開発環境がある事を知り、Windows用のソフトを作り始める。
 様々なソフトを開発していく中、自分に出来る事はこれしか無いと確信するに至り、2006年より愛知県でソフトウェア開発者として働き始める。
 2011年には職場で出会った同僚と結婚、2012年には長女、2014年には次女、2017年には長男が生まれる。
 ソフトウェア開発に対する情熱は冷める事なく、現在ではソフトウェア開発者として働きつつ、『ハヤえもん』という無料音楽再生ソフト(Windows、iOS対応、Androidバージョンも開発中)を始めとする様々なソフトウェアの開発を行う日々を過ごしている。

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