一
「ねぇ、美沙。今日カラオケ行かない?」
「いや、あたしカラオケ苦手なの知っとるやろ!」
ーーキツい。
...
二
ああ、良かった。
誰もいなかったんだ。
ドゥナが聞かれてなくて、本当に良かった。
2...
三
「ただいまー、って誰もいないか」
そう、今日は両親の結婚記念日だ。
1年に1回、必ず訪...
四
受け取った荷物は、玄関にそのまま置いておいた。
だってきっと、お父さん向けの荷物だもん。
そしてあたしは、部屋に戻った。
「あ、そうだ。さっきの投稿、誰かいいねしてくれてるかな?」
そう思って、ツイッターを見てみた。
誰も、いいねなんて、してくれてなかった。
してくれるはずも、なかった。
「ちぇーっ」
よし、逆にあたしがフォローしてる人みんなにいいねしまくっちゃえ。
そしたらきっと誰かはいいねを返してくれるよね。
あたしは、上から順番にひたすらいいねをしていった。
「ん? なんだろう、このつぶやき」
それは、「カラオケ苦手だったけど、ハヤえもん使ったらだいぶマシになってきた」というつぶやきだった。
ハヤえもん?
なにそれ?
カラオケ苦手なのが解消されるの?
あたしは気になって、リプライを送ってみる事にした。
『ハヤえもんってなんですか? 実はあたしもドゥナの関係でカラオケが苦手で両親はミュージシャンなのになんであたしにドゥナが』
五
ダメだ。
あたしまた暴走してる。
ドゥナなんて、この人に伝わるわけないじゃん。
...